8月11日12:51:36
瞑想の本を読みました。
政治家、財界人で瞑想を行うことを習慣としている人も多いのですが、そのことをよく理解できた気がしました。瞑想のポイントの一つは、物事をあるがままに受け入れるということです。事実を事実としてそのまま受け入れる。批判を加えない。評価を行わない。もちろん無視しない。
実に当たり前のことのような気がしますが、一般人には、なかなかできません。とても難しいことなのです。普通は、見たくない事実にはなかなか目が向きません。事実を示されてもついつい言い訳を作って無視してしまいます。人はいやなものは見たくないのです。
実は経営者も同様です。「人は、己が見たい事実しか見ない。」カエサルの言葉です。
イエスマンの側近に囲まれて、耳ざわりのよい情報しか聞かされない大会社の社長の話を耳にします。しかしこれは全く雲の上の話ではありません。ほとんどの中小企業の社長がそうなのです。人間の性なのでしょうか。
環境が変化して、売上が急降下しているのに、見て見ぬ振りをします。社内に問題が起こっていても、あたかも何も起こっていないかのように無視します。社長の頭の中には右肩上がりの「夢」が描かれているのです。その理想に反することはあってはならないことなのです。社長の頭の中で「取り消し」が行われます。
先日のことです。うちの事務所にある新規のお客様がいらっしゃいました。もう半年間、試算表を作成しないということです。その社長が、半年前に3千万円の借り入れをしたそうです。でも今、現金はない。うちは赤字ではないはずなのに、一体3千万円はどこに行ってしまったのか。社長は不思議そうに話をされます。
私はぴんと来ました。この社長さんは、自分の会社が赤字であることを信じたくないのだな。
実際、半年分の会計伝票を入力したところ、やはり赤字が3千万円となっていることが判明しました。社長はがっかりしていましたが、事実は事実です。
だからこそ経営数値をリアルタイムでモニタリングすることが必要不可欠なのです。
社長が知りたくない事実をお知らせし、その対策を立てることを促すのが私たち会計事務所の大きな役割なのです。